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2007年09月12日

名大生サークル「HUCK」が鳥取砂丘に落書き→炎上へ

HUCK

現実で起こったことがネットに飛び火し、ネットで加熱したことにより熱を帯びた状態でそれが現実に送り返される……「現実」と「仮想(ネット)」が密接にリンクしているのが今回のこの「HUCK」の件だろう。

ことの発端は読売新聞が自社サイト「YOMIURI ONLINE」に掲載したこのような記事である(現在は削除されている)

鳥取市の鳥取砂丘の「馬の背」に8日朝、縦約15メートル、横約50メートルにわたり「HUCK」と書かれた落書きが現れ、訪れた観光客は「せっかくの景色が台無し」と憤慨している。

 書いている現場を目撃したという観光客によると、若者10~20人のグループが、足で掘っていたといい、文字はグループの略称らしい。

 群馬県高崎市の男子学生(23)は「遊び半分だとは思うが、観光客にとってはショック」、兵庫県尼崎市の男性会社員(56)は「何を考えてるのか分からない。自然を大切にする心を持たないと」と話していた。

この典型的な「DQN」行動に対し、2ちゃんねるを中心に「HUCK」の解析が進められた。

頭の悪いことに「HUCK」のメンバーは自らが行ったことをブログに掲載していた。そしてGoogle等で検索することによりそれが発見されると、メンバーの顔写真や氏名が特定され、その結果犯人は「ハックルベリーフィン」と称する名古屋大学の学生イベントサークルであることがわかったのである。彼らは自らのブログに次のような記事を書いていた。

鳥取砂丘に名前を刻んできました! そう、今年もやってきました
歩いて 日本縦断
最後のラリーを無事歩ききりました
兵庫県の新舞子海水浴場~鳥取砂丘まで
160キロの道を70人で歩いた一週間
GOALの鳥取砂丘の海は4年間の集大成でした 1年生でアドベンチャーサークルに入って
2年生でチーフをして
3年生で隊長をして
4年生で最高のゴールができました
一生忘れません
ありがとう

ここでこれまでの「個人情報特定」のシナリオを思い出してみると、そのほとんどが何らかの形で氏名が特定され、それをもとにmixi上で検索→発見という形であった。もちろん、今回も例外ではなくこの発見形式をとっている。

今回の場合は、メンバーの名前がチーフ: 清水康佑 サブチーフ:坂本和之などと普通にサイトに掲載されていたこと、そして「ハックルベリーフィン」メンバーの一部がこの件をmixi上の日記に書いていたこと、その両者を照合・特定することで、「mixiで発見」を達成してしまった。

さて、自らが行った行動が引き金となり2ちゃんねるで「祭り」が起こっていることを察知したメンバーは早々にブログとmixiアカウントを削除、対策を講じたのだが、すでに多くの個人情報がばれていたため削除した効果は薄かった。結局大学や環境省から注意を受けるなどしている模様だ。(ただし、HUCKことハックルベリーフィンは大学公認サークルではないため名古屋大学が何らかの行動に出るとは考えにくい)

なお、HUCKメンバーは2ちゃんねるでの火消しも行っていたのではないか、との話がある。次のようなメールがHUCKメンバーにまわったというのだ。

件名:砂丘落書きの件
メンバー各位へ
昨日のまでのラリーおつかれさまです。
もう皆様ご存知かもしれませんが、
砂丘にHUCKと書いた件が読売新聞のweb版に掲載され、
それがあの2チャンネルに飛び火して、
いわゆる祭りとなってしまっています。
落書きに関しては正直なところ違法性があると言わざるを得ません。
本来であれば、私が皆さんの行動を抑制しなければいけなかったのです
が、
ご存知の通り率先して行動してしまいました。
大変申し訳ありませんでした。
週明けにも関係団体に謝罪をしようと思いますが、
現在2チャンネルからのHP、ブログ、ミクシーへの攻撃が激しく、
関係ない方にまで被害が及んでいる状況です。
もし、お時間がありましたら2チャンネルの該当ページにて
我々を擁護するコメントをして、
祭りの沈静化に力を貸していただけないでしょうか?
こういった時は静観するよりも数で対策したほうがよいそうです
アドレス等が分からないときは2班○○君のゼミBBSをご覧下さい。

このメールは「HUCKの一員」を名乗る人物がリークしたものである、といわれている(出所が「2ちゃんねる」であるため真実は不明)。素早い削除等も考えると、メンバーのなかに詳しい人物がいたとしても不思議ではない。

まあ、「イベントサークル」「アドベンチャーサークル」を名乗る大学のサークルは90%以上が男女が楽しく遊び(いろんな意味で)するために存在するようなものだから、このサークルのメンバーもその場の「ノリ」と「テンション」で上記の行動に及んだのだろう。「単なる砂に足で掘っただけだから特に問題ないだろう」などと考えたに違いない。そしてもしその場に「まずい」と考える人間がいたとしても、集団心理や「その場にいる女性から『アイツノリ悪いし嫌いだわ』と思われたくない」などといったアレゲな心理が働くことでこのような行動を許してしまったのだろう。そもそもこのような大学生のバカ騒ぎは2ちゃんねるが「DQN的行動」として最も嫌う部類に属する。メディアを通じてそれらの行動が報道され、それに対する独自調査がネットで行われ、ネットでの過熱がメディアに再度流入するといった一連の流れをここに見ることができる。

大学生男女が集団でいるとろくなことがない。それは一部メンバーが暴走したとしても、ほかのメンバーはそれを止めるのではなくむしろ面白がって暴走を加速させてしまうからだ。なぜか?こういうサークルに属している多くの人間が「『ノリ』と『テンション』は高いほうがよく、高ければ何をやってもいい」などと思いこみ、まともな考えがよぎったとしても異性の存在と集団の存在によりすぐにその感覚はかき消されてしまうからである。どんな状況においてもまともな感覚を忘れない、ということがいかに大切かがよくわかる。もっとも彼らに「まともな感覚」が存在していたかどうかは謎であるが。

また、ネット上で「DQN的行動」が祭りになるのは、およそこういった経験がほとんどない、つまり異性との交遊を含めた「リア充」的経験がほとんどない「ネットの住民」が心のどこかで彼らに嫉妬心を覚えているからかもしれない。もちろんVIPPERなどはただ単に遊んでいるだけな気もするが。

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2007年08月05日

AAA、岩場に落書きをブログで暴露し、炎上…何が問題だったのか

rakugaki

もはや多くの人が知っているとは思うが、先日、 AAAというエイベックス所属のアーティストのメンバーである伊藤千晃が米国ボルティモアの記念公園の石に「落書き」をしたことをブログで暴露し、それが問題となりブログが炎上した。 この問題はエイベックスが火に油を注ぐような不適切な応対をしたため、現在でもインターネット上を中心に問題となっている。 下手をすれば週刊誌ネタにもなりかねず、AAAを含む音楽アーティストのモラルの問題にまで飛躍する可能性がある。

さて、では今回なぜAAAの落書き問題は「炎上」に結びつき、そしてエイベックスはどうして 「火に油を注ぐ」対応をしたのだろうか。

ことの発端は7月。AAAの女性メンバーである伊藤千晃が公式ブログに「落書き」 をした写真をアップロードし、「記念に書いてきた」とコメントした。当時AAAは海外公演を行っており、 その一環として米国メリーランド州ボルティモアにある国立公園に訪れた際に書いたと思われる。 決定的な証拠が本人によりアップロードされていた点、またいわゆる「DQN」的行動の象徴としての「落書き」が見られたため、 この記事はすぐに炎上する運びとなった。

私個人が見ていたところでは、記事がアップロードされた直後にはてな匿名ダイアリー上で 「これはひどい」とのコメントがなされ始め、すぐに「はてなブックマーク」でホットエントリー・人気エントリーとなり、 それがもととなって2ちゃんねるにスレッドが立てられ、炎上がますます広がっていた、という形となっているようだ。

この問題に対しエイベックスは、ZAKZAKによると

 エイベックスは悪行について、「現地のコーディネーターに確認したら、 大丈夫といわれた。スプレーは現地で観光客向けに売られていた。決して書くためではなく、撮影の小道具のためだった」と弁明した。

 さらに、「イメージでいうと、横浜市桜木町みたいなところ。落書きをするのが観光のひとつになっている」 と呆れた言い訳に終始した。

とコメントしたようだ。ZAKZAKが書いているとおり桜木町は落書きを奨励しているわけではなく、 このavexによる「DQN」的応対は「火に油を注ぐ」形で炎上を促進させてしまった。

そういえば、エイベックスは以前「のまネコ」と「モナー」 の登録商標問題をめぐりインターネット上で大論争を巻き起こしたことがある。 当時のエイベックスはインターネットの扱い方に慣れているとは言えず、結果としてエイベックスが引くことで問題は解消したものの、 「エイベックスはDQN企業である」というイメージを強く残す結果となった。それはエイベックスがインターネット利用者を「交渉すべき相手」 として認識せず無視し続けたこと、そしてコロコロと主張が変化する不安定な応対を繰り返したためである。
今回、このエイベックスに対する印象はインターネット上においてかなり加速されてしまったように思われる。そして、 エイベックスという企業が依然としてインターネット上のリスク管理に対し非常に鈍感であることを改めて認識させられる結果となったのではないか。

インターネット上で起こる「炎上」に対しどのようなアプローチをすればよいのか、 という議論が最近盛んにおこなわれているが、最も効果的な方法は「誠実に裏の取れた情報のみを提供し謝罪する」ことだろう。 つまり炎上を迅速に沈静したいあまり裏の取れない情報を使用して謝罪したり、あるいは「謝罪文」 ばかりが先行して実際謝罪しているかどうかがわからなかったり、さらにいえばすぐにばれる嘘を用いた「言い訳」 を利用することは非常にまずい、ということである。また、「放っておけば炎上はすぐに収まるだろう」と考えそのまま無視しているのも 「応対に問題がある」と火に油を注ぐことになり、問題がある。最も良い沈静化の方法は、 あせらずあわてず誠実に目前の問題に対しアプローチしていくことだろう。

今回の場合もこれに当てはまると考えられる。つまりエイベックスは初期の段階においては「炎上の沈静化」 を狙いこの問題を無視した。しかし公式掲示板や2ちゃんねるでの罵倒は収まる気配がなく、結果としてエイベックスは謝罪文を掲載した。 しかしこの謝罪文がまた「『落書きをしていい、そういう場所な感じだったんですよ。仕方ないでしょ?』と批判元に認識させ沈静化を試みよう」 という意図からきた「裏の取れていない情報」(=桜木町の例、あるいは「落書き許可場所っぽかった」という言い訳)によって構成されており、 そのことが炎上を促進させてしまったのである。エイベックスは炎上の応対に関し致命的なミスをしてしまった、ということだろう。 これは前回の「のまネコ問題」のときと同じ応対方法であり、彼らが何の学習もしていないことがよく理解できる。

もし炎上を最も効率的におさめたいのであれば、エイベックスはすぐさまAAAサイトのトップページに 「事実関係を確認中である」旨を記載するべきであった。そうすることで閲覧者に対し「自分たちは現在誠実にこの問題に向き合い調査中である」 との印象を与えることができたからだ。また調査結果に関しても「桜木町」 などという確証の取れない例示をして強制的に人々を納得させるのではなく、「この場所は禁止区域ではあったが、 周りに落書きがあったため落書きをしてしまった。しかし現実的に考えて落書き許可区域が国立公園内にあるとは考えられず、 これはそれを意識できなかった自分たち、そしてAAA自身のモラル・マナーに対する意識の欠如が招いた問題であるから、 もう一度現地に行ってきちんと謝罪したい」などという、もっと誠実な応対ができたはずだ。 また本人自身の謝罪文を掲載することも視野に入れたほうがよかったのではないか。

エイベックスという企業は、どうもインターネット上でのリスク管理が全くできないようだ。前回の「のまネコ」 の一件から、普通であれば「無視することはよくない」「誠実な対話が求められる」「もっともらしい嘘をつくのもよくない」 ということを学ぶはずなのだが、エイベックスの場合は学習ができていなかったといっても過言ではない。この「インターネット」 というものに対する考えの甘さが、今回の一件を引き起こしたのではないか。「AAAはDQNだ」「avexはDQNだ」 というイメージが一度つくと、それはなかなか落とすことができない汚れのようにいつまでもつきまとう。 また今回の問題は海外でやった問題でもあり、また「JPN」、つまり日本人がやったという主張をしてしまったのだから、 AAAやエイベックスのみならず日本人そのものの印象を大きく低下しかねないことも十分に理解すべきであった。

本件以外でも、近年「インターネット上のリスク管理」というのは大きな問題となりつつある。 一企業の一社員がブログに書いた内容により、その企業全体が大きな影響を受ける、そんな事態が続発している。今回は「所属アーティスト」 という大きな存在であったが、これからは「一社員」によって会社が信頼を失うこともおこりかねない。インターネット上で起こる数多くの 「炎上」に関し、企業はもう少し真剣になったほうがよいだろう。

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2007年06月07日

新司法試験の内容が慶応義塾大・京都大の出題委員(植村教授など)からリーク(流出)?

受験者に対して絶対の平等を約束しなくてはならない「試験」。 それがセンター試験や司法試験といった重要な試験であればなおさらである。しかしもしこれらの試験の内容が事前に外部に漏れていたとしたら、 どうするだろうか。もはやそれは試験としての体裁を成しておらず、多くの非難・批判を浴びることになるだろう。

しかし今新司法試験の内容が漏れていたのではないか?ということが、2ちゃんねる司法試験板を中心にまことしやかにささやかれている。 それはある一人の個人が書いたブログから始まった。

元ネタはUNDERSAILというブログ。 このブログの管理者が、司法試験の時期に次のような記事をアップした(現在は加筆・修正されている)。

公法系は、憲法・行政法とも、 慶應内部で2月から実施された試験委員の答練を受けた人が有利だったという印象。 都市計画法が出題されることもメールで示唆がありました。他の受験生が悩みそうなところを悩まずにすんだ人が多かったというあたり、 アンフェア。行政法は、問題に食らいついて解いたという実感があまりありません。

さて、これはどういうことだろう。

新司法試験は考査委員が主に試験の問題作成・採点を担当している。簡単にいえば、慶応義塾大学法科大学院に所属し、 新司法試験の考査委員である人物が、大学院内で答練(模擬試験のようなもの)を行い、 その内容と本番の試験内容が酷似していたということである。また、教授から出題範囲に関する情報がメールでリークしたという記述もある。 そもそも考査委員がこういった行為をすること自体が禁止されているのにもかかわらず、情報を漏らしてしまうとはいったいどういうことだろう。

ちなみに今回リークした行政法に関する情報は、 行政法は旧試験になかった科目であるということもあり非常に有用な情報である可能性が高い、とのことである。それだけに、 情報があれば非常に有利になった可能性は否定できない。

また別の記事には次のようなことが描かれている。

 京都大→友人経由の情報によると、会社法は経営判断原則が出るそうです。昨日の公法系のことがあるので、 重点的に復習。

この記事の後、実際に経営判断原則が新司法試験に出題された。 つまり京大の友人が入手したという情報は正しい情報だったのである。 この情報がどこから出たのか明記されていないため詳しいことはわからないが、ここでも「何者かが試験情報を事前に外部に口外している」 ということがわかる。

もちろんブログの情報が真実であるか定かではないため、「問題が外部に事前に漏れていた」 と断定することはできない。院に在学していた方で、何か情報をお持ちの方はthirjapan@gmail.comまでメールを送っていただければ幸いである。

しかし一番の問題は問題制作担当者がロースクールで実際に教えており、また考査委員のメンバーが公表されている、 ということではないか。このような状況だと、これからこのような「的中」に近い状況が起こるたびに疑惑が発生することになる。 出題者が教えるということがないようなシステム作りをしなければ、疑惑が解消することはないだろう。

追記
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070623it01.htm?from=top

法科大学院の修了生を対象に先月実施された今年度の新司法試験で、出題と採点を担当する「考査委員」を務める慶応大法科大学院(東京都港区)の植村栄治教授(57)(行政法)が、今年2~3月、同大学院の学生相手に答案作成の練習会を開いた上、実際の試験問題と類似した論点を説明していたことが22日、分かった。
やはり事実だったようだ。

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