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2007年08月05日
AAA、岩場に落書きをブログで暴露し、炎上…何が問題だったのか

もはや多くの人が知っているとは思うが、先日、 AAAというエイベックス所属のアーティストのメンバーである伊藤千晃が米国ボルティモアの記念公園の石に「落書き」をしたことをブログで暴露し、それが問題となりブログが炎上した。 この問題はエイベックスが火に油を注ぐような不適切な応対をしたため、現在でもインターネット上を中心に問題となっている。 下手をすれば週刊誌ネタにもなりかねず、AAAを含む音楽アーティストのモラルの問題にまで飛躍する可能性がある。
さて、では今回なぜAAAの落書き問題は「炎上」に結びつき、そしてエイベックスはどうして 「火に油を注ぐ」対応をしたのだろうか。
ことの発端は7月。AAAの女性メンバーである伊藤千晃が公式ブログに「落書き」 をした写真をアップロードし、「記念に書いてきた」とコメントした。当時AAAは海外公演を行っており、 その一環として米国メリーランド州ボルティモアにある国立公園に訪れた際に書いたと思われる。 決定的な証拠が本人によりアップロードされていた点、またいわゆる「DQN」的行動の象徴としての「落書き」が見られたため、 この記事はすぐに炎上する運びとなった。
私個人が見ていたところでは、記事がアップロードされた直後にはてな匿名ダイアリー上で 「これはひどい」とのコメントがなされ始め、すぐに「はてなブックマーク」でホットエントリー・人気エントリーとなり、 それがもととなって2ちゃんねるにスレッドが立てられ、炎上がますます広がっていた、という形となっているようだ。
この問題に対しエイベックスは、ZAKZAKによると
エイベックスは悪行について、「現地のコーディネーターに確認したら、 大丈夫といわれた。スプレーは現地で観光客向けに売られていた。決して書くためではなく、撮影の小道具のためだった」と弁明した。
さらに、「イメージでいうと、横浜市桜木町みたいなところ。落書きをするのが観光のひとつになっている」 と呆れた言い訳に終始した。
とコメントしたようだ。ZAKZAKが書いているとおり桜木町は落書きを奨励しているわけではなく、 このavexによる「DQN」的応対は「火に油を注ぐ」形で炎上を促進させてしまった。
そういえば、エイベックスは以前「のまネコ」と「モナー」
の登録商標問題をめぐりインターネット上で大論争を巻き起こしたことがある。
当時のエイベックスはインターネットの扱い方に慣れているとは言えず、結果としてエイベックスが引くことで問題は解消したものの、
「エイベックスはDQN企業である」というイメージを強く残す結果となった。それはエイベックスがインターネット利用者を「交渉すべき相手」
として認識せず無視し続けたこと、そしてコロコロと主張が変化する不安定な応対を繰り返したためである。
今回、このエイベックスに対する印象はインターネット上においてかなり加速されてしまったように思われる。そして、
エイベックスという企業が依然としてインターネット上のリスク管理に対し非常に鈍感であることを改めて認識させられる結果となったのではないか。
インターネット上で起こる「炎上」に対しどのようなアプローチをすればよいのか、 という議論が最近盛んにおこなわれているが、最も効果的な方法は「誠実に裏の取れた情報のみを提供し謝罪する」ことだろう。 つまり炎上を迅速に沈静したいあまり裏の取れない情報を使用して謝罪したり、あるいは「謝罪文」 ばかりが先行して実際謝罪しているかどうかがわからなかったり、さらにいえばすぐにばれる嘘を用いた「言い訳」 を利用することは非常にまずい、ということである。また、「放っておけば炎上はすぐに収まるだろう」と考えそのまま無視しているのも 「応対に問題がある」と火に油を注ぐことになり、問題がある。最も良い沈静化の方法は、 あせらずあわてず誠実に目前の問題に対しアプローチしていくことだろう。
今回の場合もこれに当てはまると考えられる。つまりエイベックスは初期の段階においては「炎上の沈静化」 を狙いこの問題を無視した。しかし公式掲示板や2ちゃんねるでの罵倒は収まる気配がなく、結果としてエイベックスは謝罪文を掲載した。 しかしこの謝罪文がまた「『落書きをしていい、そういう場所な感じだったんですよ。仕方ないでしょ?』と批判元に認識させ沈静化を試みよう」 という意図からきた「裏の取れていない情報」(=桜木町の例、あるいは「落書き許可場所っぽかった」という言い訳)によって構成されており、 そのことが炎上を促進させてしまったのである。エイベックスは炎上の応対に関し致命的なミスをしてしまった、ということだろう。 これは前回の「のまネコ問題」のときと同じ応対方法であり、彼らが何の学習もしていないことがよく理解できる。
もし炎上を最も効率的におさめたいのであれば、エイベックスはすぐさまAAAサイトのトップページに 「事実関係を確認中である」旨を記載するべきであった。そうすることで閲覧者に対し「自分たちは現在誠実にこの問題に向き合い調査中である」 との印象を与えることができたからだ。また調査結果に関しても「桜木町」 などという確証の取れない例示をして強制的に人々を納得させるのではなく、「この場所は禁止区域ではあったが、 周りに落書きがあったため落書きをしてしまった。しかし現実的に考えて落書き許可区域が国立公園内にあるとは考えられず、 これはそれを意識できなかった自分たち、そしてAAA自身のモラル・マナーに対する意識の欠如が招いた問題であるから、 もう一度現地に行ってきちんと謝罪したい」などという、もっと誠実な応対ができたはずだ。 また本人自身の謝罪文を掲載することも視野に入れたほうがよかったのではないか。
エイベックスという企業は、どうもインターネット上でのリスク管理が全くできないようだ。前回の「のまネコ」 の一件から、普通であれば「無視することはよくない」「誠実な対話が求められる」「もっともらしい嘘をつくのもよくない」 ということを学ぶはずなのだが、エイベックスの場合は学習ができていなかったといっても過言ではない。この「インターネット」 というものに対する考えの甘さが、今回の一件を引き起こしたのではないか。「AAAはDQNだ」「avexはDQNだ」 というイメージが一度つくと、それはなかなか落とすことができない汚れのようにいつまでもつきまとう。 また今回の問題は海外でやった問題でもあり、また「JPN」、つまり日本人がやったという主張をしてしまったのだから、 AAAやエイベックスのみならず日本人そのものの印象を大きく低下しかねないことも十分に理解すべきであった。
本件以外でも、近年「インターネット上のリスク管理」というのは大きな問題となりつつある。 一企業の一社員がブログに書いた内容により、その企業全体が大きな影響を受ける、そんな事態が続発している。今回は「所属アーティスト」 という大きな存在であったが、これからは「一社員」によって会社が信頼を失うこともおこりかねない。インターネット上で起こる数多くの 「炎上」に関し、企業はもう少し真剣になったほうがよいだろう。
