[Di]大学入試センター試験を振り返って -トラブル続出のセンター、今後は

トップページ> 社会 > 学校 , 2007年01月22日

大学入試センター試験が今日無事に終了した。今回は受験生としての自分の立場から、今回のセンター試験、また大学入試センターのあり方について考えてみたいと思う。

正直、今回の記事には自分の感情・主観がかなり入っていると思うので、客観的な考察は河合塾・駿台・代ゼミその他の分析を見ていただきたい。僕がここで述べたいのはあくまでも受験生からの視点としてセンター試験を見たものであり、試験問題の客観性を持つものではない。この記事が後にセンター試験を受けることになる人たちの少しでも参考となれば、幸いである。

1.場所
僕は首都大学東京で受験した。座席は隣とはよく離れているが、前とはあまり離れていない。そのため、後ろの人が消しゴムをこすっていると前まで振動がきたりした。が、そんなに気にすることではない。

2.服装
暑くも寒くもない、ちょうどよい温度であったが、やはり調節気は持って行く方がよいだろう。ちなみに、ホッカイロに関しては予備校が配布しているので、それを数枚かっぱらってくれば事前に用意する必要はない。ただ、そのような勇気がない人や、見るからに不信人物であいてからカイロを渡してくることがないような人物は、その限りではない。

3.試験の解答用紙、問題冊子
各予備校が出している実践問題集と全く同じである。解答用紙は予備校発行のものが一回り大きくなったものだった。また、科目選択欄の右側に「チェック欄」と呼ばれる欄があり、科目選択をし終えた後そこにチェックを入れろとの指示が出た。なお、万が一科目選択欄を間違えたり、あるいは受験番号その他をマークミスした場合に関しても、試験終了後に「訂正を認めます」といって、訂正をすることが可能であった。また、解答科目欄のチェックミスに関しては「一律0点」と言っていたのに対し、受験番号のマークミスに関しては「0点になることがある」と表現を変えていたのは興味深い。やはり、まだ訂正をむこうでしているのだろうか。

以下は各科目に関して。

英語
傾向が変化した。また、問題量が大幅に増加し、「この英文をすべて読み切ることは出来るだろうか」と内心不安になった。結局20分くらい時間が余ったのだが、やはり問題量は大幅に増加していたようだ。ただ、その分長文問題の選択肢難易度は大幅に減少した気がする。それまで語順整序や段落挿入などがあった部分が新傾向問題に変わっていたが、その部分は若干難しかったか。文内容と選択肢内容を一読しても判断に苦しむ問題や、深読みすると勘違いをしてしまうような問題があった。センター試験は共通して「深読みをしてはいけない」ということが言えそうだ。新傾向問題に関しては十分注意が必要だろう。

国語
こちらもやはり文章量が圧倒的に増加した。ただし、本文自体の内容は簡単になったと思われる。しかし、選択肢の正誤判定が若干厳しくなったり、あるいは抜粋部分が特にある事象の例外を述べていることに注意しないといけないものであった。古文漢文は全体的に易化傾向が続いているが、これは「国語表現」「国語総合」という新課程によるものだろう。予備校は平均点の低下を予測しているが、この問題は今までとれた上位層がとれなくなり、逆にとれなかった下位層が持ち直すことで、平均点の上下がなくなった気がするが、どうだろう。簡単な問題が多い一方で、考えないと解けない問題もあるというのは、センターの傾向かもしれない。

数学
難化。
IA/IIBともに問題量が多くなった。ただし、IAに関しては確率で考え方を思いつけばきちんと得点できたはずである。その点で、確率のひらめき力がある人間は一瞬で解き終わったことだろう。ただし、一部で若干論理的な飛躍をしている部分があり、そこで得点できるかどうかが高得点と低得点の境目になったのではないかと思う。この難易度の数学だと、おそらく一度どこかで躓いたり、あるいは失敗すると、すべての問題が解答しきれないおそれがある。難しい問題を時間をかけて解くタイプの数学とは全く傾向が異なっているのがセンター試験の数学であるので、センター試験数学は全く別の教科だと割り切って取り組んだ方がいい。今回のセンター試験に関して言えば、数学は各予備校が出版している実践問題集の難易度を遙かに超えていた。

社会(世界史・政経)
どちらの科目にも共通して言えることは、アジア関連の出題が大幅に増加したと言うことだろうか。問題の難易度には変化がないものの、受験生が苦手にしている部分やおろそかにしている部分を鋭くついてきた感じだ。
世界史は受験生が苦手とする文化範囲が出なかった一方で、アジア史・イスラーム史が多く出題された(この部分は自分としてはそこまで難しいという気はしないが、予備校の教師や学校の教師、また受験参考書の記載によれば、「受験生が苦手にしている部分」であるという)。
政経は経済分野には昨今の事情と深く関連する事項が多く出題された。アジア通貨危機や各国の発展状況などを知っていないと、若干厳しかったかもしれない。日本史や地理選択者には有利だったか。
なお、政治分野に関してはそれまでの憲法中心の出題ががらりと変わり、地方行政や行政改革など、比較的最近の話題からの出題が多かった。

理科(化学)
若干傾向が変化したように感じるが、ゆうに満点をねらえる内容である。さほど難しくない。ただし、一部の問題は若干答えにくいものとなっており、「満点防止」ともとれるのではないか。資料集をながめ、反応をきちんと確認しておくことが必要だろう。

総評
今年度のセンター試験は全体的に難化すると言われていたが、実際に大幅に難化したように思える。全体で昨年度-40点くらいの平均となるのではないだろうか。浪人生は特に大きなショックを覚えたかもしれない。これに伴い、各国立大学の足切り点や、私大のボーダーラインはかなり上下すると思われる。また、難化しているため、受験生が安全志向の出願を行い、予備校の出すラインを大幅に切ることも考えられる。水曜日には各予備校がセンターリサーチを発表するが、その結果と照らし合わせてから十分な判断が必要だろう。
昨年は東京大学理科一類の足切り点数が740点と予想されたため、多くの受験生が理科二類へと流れ、その結果理科一類の足切り点数は720点まで減少した。このように、予備校のセンターリサーチ結果によっては大学の足切りライン、ボーダーラインが上下してくることも考えられるため、出願には注意が必要である。

大学入試センターに対して
(以下は問題の難易度に関する話ではなく、リスニングや世界史でトラブルがあった話です)

すでに河合塾が世界史に関する公開質問状を提出し、また報道でもおなじみの通りリスニングでは多くの不具合が見つかったと言うことである。特にリスニングに関して、マスコミでは「機械なのだから、これだけの故障ですんだことはよいことである」などと発言している人間もいるが、それは大きな間違いだと自分では思っている。大学入試センターが行うセンター試験は受験の機会均等を約束しなくては、大規模な共通試験としての信頼性を大きく欠くことになる。受験生が故障したリスニング用機材に当たり、その結果点数を大きく損なうことになったとしても、それは受験生の責任であると言うことは出来ない。はじめからすべての受験生に同一の環境を整えることが困難であるのならば、リスニング試験などやらないほうがよいのではないか。事実、リスニング試験はそれを実施するべきであるほど難易度は高くない。
質問状が送られたことに関しても、大学入試センターの作問姿勢に疑問を抱かざるを得ないだろう。作問委員会は1年間に1度、毎年ある恒例行事としてセンター試験があるのだろうが、受験生にとっては自身の一生を大きく左右することになるかもしれない試験なのである。センター試験は多くの大学が採用し、非常に大きな試験になった。しかしそれだけに、大学入試センターの作問責任というのが今後大きく問われていくだろう。すべての受験生にとって公平な試験を課しているという信頼があるからこそ多くの私大が採用しているわけであるが、今後その信頼は大きく揺らいでいくのではないかと感じる。事実、2005年に不祥事があり、2006年にはリスニングトラブル、2007年にはこれである。閉じた環境内で作問をしなくてはいけない苦労もあるのだろうが、しかしチェック体制というのを確立することは出来ないものなのだろうか。厳しい要求だとは思うが、しかしその厳しい要求に耐えうる試験でないと、国公立大学受験に必ず必要な一次試験としての信頼性が大きく揺らぐことになる。

また、近年センター試験は質より量を重視する傾向にある気がするが、この傾向はいかがなものか。数学はただ単に計算能力を試しているだけであって、それは「数学力」ではない気がする。国語は深読みをすることが出来ず、表面的な内容を追いかけるだけであるが、それは「国語力」なのだろうか。読み取ることは誰でも出来るが、そこから自分で思考することが大切なのではないのかと思った。だいいち、小説を問題に採用するのはどうなのだろう。マーク試験という特性上仕方がないことかもしれないが、しかし量に過多に偏重している気がするのだ。

センター試験が今後信頼性を失わないためには、不祥事や不具合、出題ミスを限りなく0にしていく必要がある。小さな不具合であっても、それは受験生の機会を不均等にしているということを、大学入試センターは自覚するべきではないのだろうか。


投稿者 admin : 2007年01月22日 00:27

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