[Di]アフィリエイトはインターネットを劣化させる -アフィリエイト制限論-

トップページ> インターネット , 2007年01月09日

※下に1月11日、12日の追記があります

「アフィリエイト」。それはサイトに広告を載せ、それを訪問者がクリックしたり、もしくはクリック先で何かを買ったりした場合に、サイト管理者に補助金が出る仕組みである。当サイトでも2年前から「Google Adsense」や「楽天アフィリエイト」を導入している。

本来、アフィリエイトとは、訪問者に何らかの情報を提供する見返りとしてサイト管理者が享受することのできるものだったように思える。アフィリエイト本来が目的ではなく、サイトを運営することに対するささやかな見返りとして、アフィリエイトが存在していたのだ。このときはアフィリエイトの存在によってサイト自体が活性化したり(サイト管理者に見返りとしての資金がいくため、活気づくのだ)、あるいはよりディープなネタを扱ってさらに訪問者を増やすと言ったことが多々あった。アフィリエイトがインターネットによく作用していた時代であった。

しかし、今はどうだろうか。「アフィリエイト」が主流となってしまっている。アフィリエイトが主流になるということは、つまり情報などはどうでもよく、いかにしてサイト訪問者を増やし、バナーをクリックさせるか、そういったことに主眼がおかれるようになってきた。これこそまさにインターネットの劣化の始まりであり、インターネット上の有益な情報がどんどんとゴミクズに埋まっていく元凶となっているのではないか。

アフィリエイトに主眼をおいたサイトというのは、まずサイト訪問者をいかにして集めるか、ということに主眼がおかれる。そのためにSEO対策に重点を置き、たいした内容がなくとも検索エンジンの上位にランキングされるようなサイトを制作していく。あるいはプログラムを制作してインターネット上の文章をそのままちょっとずつ拝借し、リンク集的なものを作ったりする。そうやって作ったサイトには、もちろん中身がない。中身などどうでもよいのだ。むしろ、自分のサイトに人がとどまらずに、バナーをクリックして広告主の元へいってもらった方がありがたいのかもしれない。こうして検索エンジンの検索結果の上位には意味のないサイトが羅列されることとなり、有益な情報を持つサイトがどんどんと下の方に掲載されるようになる。インターネットが劣化していってしまうのだ。

ある商品、たとえば「液晶ディスプレイ」を購入しようと思ったとき、まずインターネットでその製品を調べようとする。NanaoとIiyamaのどちらがいいか、それともApple Cinema Displayにしようか、それとも最近IO DATAが出したものにするか、DELLのはやすいが品質はどうなのか、そういったことを瞬時に調べることのできるのがインターネットの利点である。しかし、「アフィリエイト」の横行する現在では、検索結果に出てくるのは「この製品すごくいいです!!購入は →こちら」などという感じのアフィリエイト目的のサイトばかりであり、適切なレビューを発見することはほとんどできなくなってしまった。インターネットに無駄な情報があふれたため、有益なサイトが埋もれてしまったのだ。

アフィリエイト、ネットビジネスで儲ける中学生起業家のサイトというのがある。中学生起業家というのが僕のもっとも嫌いとする種族であることはいつかも述べたことがあるが、こういった部類のサイトは例に漏れず社会に対して何の貢献もしていないことがあげられる。起業というのならば、少しくらい社会の役に立つべきであると僕は考えている。こういうサイトは「俺と同じようにアフィリエイトをすればお前も儲けることができるぞ」といって情報商材を売りつけ、それの再販をさせるといったネズミ講まがいの準詐欺行為を行っており、また「激安商店街」などと称して楽天へのバナーリンクを貼り付け、楽天に訪問者を誘導させることで利益を得ている。確かにビジネスにはなるのかもしれないが、それでよいのか?それは単なる「中間サイト」であり、そのサイト自体はインターネットに対しても社会に対しても、そして訪問者に対しても何の貢献もしていない。

「中学生で起業?何が悪いの?」という人間は、自分たちの行為が誰かのためになっているのかを考えてもらいたい。その情報商材は自分が儲けるために売っているだけであって、相手のためにはならない、詐欺商品なのではないか?自分たちは社会やインターネットに対して何の貢献もしていないのではないか?インターネットを汚しているだけなのではないか?

何が言いたいのかと言えば、サイトは訪問者に貢献をすべきである、ということである。アフィリエイトは金儲けをするためにあるのではなく、あくまでもサイト運営の補助となる存在であるべきなのではないか。その意味で、ドロップシッピングやAmazon API等を利用した親サイトの商品を買わせるためだけに存在するサイトは全く存在価値がない。「Web2.0」と言われて登場した多くのサイトには、その価値が見いだせないのだ。逸脱したお小遣い稼ぎサイトによってインターネットが劣化していることは紛れもない事実なのだから、こういったサイトはすぐにつぶれるべきだ。その点において、サイトの内容に対して厳しい審査を行うGoogle Adsenseのシステムはすばらしいものではないか。だが、広告主側からのアプローチには限界がある。

Web2.0、それは新しい可能性を秘めたものであるが、その中では楽天のコピーサイト、アマゾンのコピーサイトなど、不必要なサイトが再生産されるようになる。アフィリエイトを目的としたサイトというのは概して訪問者、インターネット、検索エンジンそのすべてに対して何の貢献もしておらず、また自分が提供した情報の見返りとしてアフィリエイトによる収入を得る、といった「原則」を忘れている。世界的な知的財産としてのインターネットがこれ以上劣化していくのを見ると、Google等の検索エンジンがこれ以上精度を上げてくれることを願うとともに、一刻も早く楽天コピーサイト、アマゾンコピーサイト、ネズミ講情報商材販売サイトが消えてくれることを願うばかりである。インターネット上にあるすべてのサイトは固有の情報を発信すべきである。

毎日新聞がこの件に関して記事を掲載しているが、おそらくこれは拝金主義となりゆく子供たちを危惧しているのだろう。今回はそういう視点ではなく、「インターネットのためになるのか否か」という視点から考察をしてみた次第である。

111日追記
いろいろと反応があったので、少しコメントします。
「検索エンジンの性能が上がれば問題ない」という件について。それはごもっともですが、現状の検索エンジンとサイト運営者のいたちごっこのような状態をみれば、それが簡単な問題ではないことは明白です。現状において商品名で検索すると通販サイト、およびそのコピーサイトが現れるだけで、ユーザーレビュー等は一切現れず、その状況はここ数年変わっていません。
「なぜ訪問者にとって意味がなければならないのか」。これに関しては上で少し説明しそびれた部分があります。インターネット上でビジネスをやる場合、そのビジネスによって訪問者が何らかの利益を得るのであれば、私はそのサービスを歓迎しますが、現在のアフィリエイト専門サイトは訪問者にとって何の利益もありません。つまり、インターネット全体に対して利益がないということです。そもそもウェブページを作るとき、多くの人は自らの文章を見てほしいという純粋な気持ちで作り始めたはずで、インターネットがただ単なるビジネスの道具になってしまう、それは少し悲しいことであるような気がします。すべてのサイトが訪問者にとって意味のあるものでなくてはならないというわけではなく、誰かにとって意味のあるものでなくてはならないということです。その点、アフィリエイトサイトは自分以外の何者にとっても、意味のあるものではありません。

112日追記
「アフィリエイト」がつぶれろと言っているのではなく、「アフィリエイトサイト」(アフィリエイトで収入を得ることを目的とし、手段を選ばないサイト)はつぶれろと言っているだけです。サイトに独自の内容がありばアフィリエイトを行うことはかまわないと考えています。
あと、「このサイトの広告は本文を読ませる気がないのか」という意見がはてなに書いてあった(それにしても、はてなブックマークのコメントには自分で反論できないのが面倒。まあ、コメント欄を復帰させればいいのだが、大量のコメントスパムを整理してからではないと復活できず、今はそんな時間がない)のですが、実は上と下、上と真ん中、下と真ん中でどれにしようと悩んでいた結果、毎回内容が長文となる現状に一番適しているのは真ん中と上かなあとおもってそうしただけです。今回はアフィリエイトサイトについてそれはよくないと言っているだけで、独自の内容を持つサイトに関してアフィリエイトをやめろとは一言も言っていません。アフィリエイトを行っているサイトに関して言及するのは、論点のすり替えです。


投稿者 admin : 2007年01月09日 18:16

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