[Di]低価格化が必ずしもよい訳ではない -ソフトバンクの携帯電話事業参入に見る-
トップページ> 社会 , 2006年07月08日
あれほど新規参入を従っていたソフトバンクが、一転してVodafoneを買収したというニュースは、多くの人を驚かせたと思う。そのとき多くの人が、
ソフトバンクはADSL事業に「Yahoo! BB」として参入した
そのとき、Yahoo! BBは前例のない格安価格で参入した
結果として、日本におけるインターネット接続料金は大幅に値下がりした
現在、日本は上記において世界最安である
ゆえに、ソフトバンクは日本のインターネット接続料金を安くした立役者
だからこそ、携帯料金も安くなる
と考えていたし、多くの人が今もそう考えていると思う。そう考えているのは、僕も同じです。けれども、「値段が安くなること」は、必ずしも消費者にとってよいことではない。時には、値段が下がることで逆に消費者が被害を被ることもある。その実例が、ソフトバンクが価格破壊を起こした先例である「ADSL」におころうとしているのです。
今、インターネットは新しい時代に向かっています。光回線の普及もますます広がっており(まあ、孫正義率いるソフトバンクは2001年の時点で「すぐに光の時代が来る」という予測が出来ずADSLに新規参入したわけで、彼らは先を読めなかったと僕は思うのですが)、そのためにこれまでの
- 文字中心
- 画像中心
のWWWから、
- 動画中心
- 文字はそのサブ
- 通信量の肥大化
というWWWに変化していると思います。具体的に言えば、新しいネットワーク技術を利用したファイル交換システムの普及と初心者の参入、youtubeやGyaoに見られる無料動画閲覧サービスの台頭など。これらのサービスは光回線やADSLといった、高速回線なしでは実現し得なかったでしょう。しかし、ここに来てある問題が生じているのです。
これらの普及により、通信量があまりに肥大化したのです。その肥大化した通信量を補うためには、プロバイダ各社が回線を増強しなくてはならないわけです。しかし、プロバイダが回線を増強しても、いろいろな問題があって、各社が一社ずつかってにこの肥大化を押さえることはできないのです。プロバイダ各社の協力が必要となる訳です。(理由は割愛、ようするに共同の回線、IEXとかの増強費用は一つの会社でまかなうことはできないとかNTTの回線はNTTだけで増強するのはおかしいとかいろいろ)
肥大化を押さえるためには、お金が必要です。そのお金の出所というのは、顧客から得るプロバイダ料金です。この金をプロバイダ各社が共同で集めて初めて、全体の回線の増強が実現する訳です。
しかし、日本はこのプロバイダ料金が安過ぎるのです。
だから、回線が増強できない。結果的に回線はパンクする。こうして、回線速度をしぼらなくてはならなくなるー こういった状況がおこっても、全くおかしくはありません。安すぎるプロバイダ料金の補填は誰が払うのか?大容量コンテンツの保有者、つまりGyaoやyoutubeが払うのか?利用者が払うのか?プロバイダが負担するのか?NTT/TEPCOなどの回線保有業者が負担するのか?...解りません。
これと同じ状況が携帯電話でおこるとしたら、どうなるでしょうか。つまり、携帯電話の通信価格が急激に低下し、全企業が「音声定額」「PC定額」を導入したとする。こうなると、各社はサービスの競争、つまり「回線速度」等で競うことになってくる。こうなると、「値段のかかるサービスを安価に提供しなくてはならない」という状況が生まれるわけで、回線がパンクしてくるかもしれません。そうなると、逆に速度制限が必要となる、いわば「時代の逆転現象」が起きてしまう可能性がある訳です。
増えゆくコンテンツ、変わりゆくコンテンツ、そういった「変容するインターネット」に対して的確に対処していくには
- 利用料を高くし、回線の増強をはかる
- 利用料は据え置き、回線を制限する
しかないのです。何らかの新しい技術が出てきたとしても、その技術の適用にも同様の価格がかかります。この点で、「インフラ料金の低価格化」というのは、必ずしもよいことではなく、逆に回線の悪化、サービスの劣悪科を招く可能性を十分に秘めているのです。
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