[Di]奈良放火殺人事件 -17歳の恐怖、再び-

トップページ> 社会 > 事件・事故 , 社会 , 2006年06月23日

 奈良県田原本(たわらもと)町で20日早朝、医師(47)方が全焼し、焼け跡から妻の医師(38)、小学2年生の二男(7)、保育園児の長女(5)の3人の遺体が見つかった火事で、県警は22日、京都市内で保護された私立高校1年の長男(16)を殺人と現住建造物等放火の疑いで緊急逮捕し、身柄を田原本署に移した。

 長男は「自宅1階の階段の下に火をつけて逃げた」「父から成績のことでしばしば厳しくしかられた」などと供述している。

 長男が通う高校では事件当日の20日、テスト結果を伝える保護者会が予定されており、長男は「母がいなければ、成績表が父に手渡されることがないと思った」とも話している。

最近聞かれることは少なくなったが、つい最近まで、「キレる17歳」等と称して、高校生が、しかも成績優秀で何ら問題がないように見える高校生が突然凶悪犯罪に及ぶ事例が多かった気がする。同じ高校生として考えてみると、おそらくその背景には優等生故に抱えなくてはならない様々な問題や、逆に外に出すことができない自分の本当の感情がつもりにつもったことがあげられると思う。今回の事件も、東大寺学園という名門校に通う高校生が引き起こした。

父親が医者であり、自分も医者を目指すことを強制されているのにも関わらず、成績が思うように上がらない。それにより父親のプレッシャーはさらに高まり、そしてそれが繰り返される...その重圧は、想像以上に大きかったのだろう。

今回は、マスコミが既に犯人の名前を「吉川雄太」と放送してしまっているため、今回も「吉川雄太容疑者」と書いていきたい気分であるが、この名前をGoogleで検索するといろいろなことが見えてくる。朝日新聞に投書を行っていた事例も紹介されている。

今回の件も、どうやら家庭の事情が深く関わっているらしい。少年は高校生になってからは近所の祖父母の家で寝泊まりをしていたらしく、自分の家に帰ることは余りなかったようだ。それに加え、どうやら彼の親は本当の親ではない、つまり継母であったというのである。

どうも、父親は始めにある女と結婚し、そこに雄太容疑者をもうけたが、その後離婚、新たな継母を迎え、そのもとで男人、女1人を生んだようである。雄太容疑者は、継母からの愛情を受けることがほとんどなかったに違いない。そして、実母にも会うことができず、独り苦しんでいたのではないだろうか。

厳しい父親は思春期、反抗期にもその厳しさを繰り返し、勉強を強要し、非常なるプレシャーを与え、剣道を強要した。おそらく、雄太容疑者はその現実にまいっていたに違いない。しかし、継母はその現実を解消する役割を全く果たすことができなかった。継母は自分とは血のつながりのない雄太容疑者を愛すことができなかっただろうし、もしかしたら、優秀な雄太容疑者に対して嫉妬していた可能性さえもある。そのために、雄太容疑者は祖父母の家で寝泊まりをしていたことも考えられる。特に、父親が不在のときは、家に自分の居場所がなかったのかもしれない。

テレビではこういう事件が起こるたびに、「ゲームと現実の区別がついていない。現実はゲームと違いリセットできない」という妄言を吐くコメンテーターが多い。高校生になれば、どんな人間だってゲームと現実の世界が異なっていることぐらい理解しているし、現実と違う世界をゲームに求めているのだから、そこに差異はあって当然である。少年は、現実での閉塞感の打破をゲームに求めたのではないか。すなわち、父親からのプレッシャー、母親からの無愛情という家庭的に惨めな(一方の側面から見れば「めぐまれた」家庭ではあるが、現実はその限りではない)環境の対して抱いた閉塞感、困難を解消することができず、現実からの逃避、現実とは違った世界をゲームに求めたのだ。

ただ、その後の少年の行動は相当変わっていると言ってもいい。既に自意識、自分を捨ててしまっていたのだろうか。その辺に関しては、専門家の鑑定が急がれる所である。

今回の問題に関しては、家庭や学校の環境が引き起こした総合的な問題なのではないかと思う。原因は一つではない。複数なのだ。

ちなみに、僕の通っている学校はよく関西の有名校を引き合いに出す訳ですが、東大寺学園は厳しいことで有名らしい。


投稿者 admin : 2006年06月23日 20:41

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