[Di]Google PCの意義を探る

トップページ> その他 , 2006年01月09日

Google PC

Google PCが発表された。$100で、Linuxを搭載しているらしい。500MHzのCPUと1GBのメモリ、それに数GBのHDDを搭載してこの価格というから、企業側がかなりの額を負担していることは見て取れる。

このGoogle PCを、Googleは途上国の子どもむけ商品として位置づけているらしい。そしてこのGoogle PCを途上国の人々に無償配布するという。

けれども、このGoogle PCを使用できる人など途上国にいるのだろうか?例えばナイジェリアの平均年収は$1000ということだが、この1/10にもなるGoogle PCがもし無償配布されたとしたら、彼らはそれを闇市場に転売してしまうのではないだろうか?明日への生活も分からない状態ならば、そのようなことをしても全くおかしくないし、むしろ当然のことなのではないだろうか。

さらにいってしまえば、Google PCでインターネットに接続するときはどうやってすればいいのだろう?Google側はGoogle PCは主にインターネットに接続して使用するものだと説明しており、また外付けの無線LANユニットを介して接続すると説明している。しかし、途上国のどこにフリーのアクセスポイントが存在するというのだろうか?そしてどこに安定して供給される電力が存在するのだろうか?

この「興味はそそられるけれども使い方はよくわからないし、電気と"無線LAN"というものを必要とするもの」を配布したら、とりあえずよくわからないので売ってしまう、あるいは興味はあるけど生活に必要なものはもっとほかにあるので売ってしまう、といった状況がおこることは容易に想定できる。

結局、Google PCは途上国のなかでも「富裕層」におかれる人々しか使えないのではないだろうか?

はっきり言ってしまえば、このGoogle PCの存在価値は皆無ではないかと思う。途上国の人々が本当に必要としているのは、いわゆる「最貧民」の食料や医療用ワクチンであり、Google PCではない。Google PC一台の金で子どもたちは何日も生き延びれることを考えたら、Google PCを無償入手した人々がこれを闇市場に転売しても全く不思議ではない。それに、インターネットにアクセスできる環境もなければ、電気だってあるかどうかわからない。こんな状態で、だれがGoogle PCを使うのだろう?これを配布すれば、逆に富裕層と貧民層の差が増すだけなのではないだろうか?

Google PCがもし存在価値を持つとすれば、それはこれを手渡された子どもたちがコンピュータに対して興味を抱くかもしれないということだ。途上国には努力することを惜しまない子どもたちがたくさんいるという(もちろんそれは過酷な環境からくるのであるが)。彼らが目にしたことのないGoogle PCを見て、たとえそれが保護者により闇市場へ売却されてしまったとしても、未知の機械に対する興味は薄れないだろう。そして将来的にその子どもがその興味を基に何か大きなことをする可能性だって残されているのである。

Google PCを配布することによりできるのは、ただ一つ「興味を持たせること」のみだとおもう。当初から目的はその一つかもしれない。けれども、彼らが恒久的にインターネットの便利さを実感できるのは、まだ遠い未来の話になると思う。

途上国には無線LANアクセスポイントは存在しているのだろうか?
途上国には十分な電力が供給されているのだろうか?
なにより、コンピュータを使用する時間的/金銭的余裕が存在するのだろうか?

そしてこのような状況を考えると、日本がいかに裕福な国であるかを再実感せざるを得ないのである。


投稿者 admin : 2006年01月09日 23:36

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